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 クラシックQ&A



管理人(ひ)が日頃から感じていたクラシック音楽やオーケストラにまつわる疑問です。未解決の問題もまだまだ多く残っています。
もしも疑問がありましたら、答えられるかどうか分かりませんが(ひ)までお知らせくださいませ。


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Q:オーケストラで弦楽器奏者のボウイングは、どうして一糸乱れずに全員揃っている??
A:「揃っている」のではなく「揃えている」

オーケストラの演奏を見る度に、いつも不思議に思っていた疑問です。「アウフタクトはアップ」「小節の頭はダウン」のような基本的な法則は確かに存在しますが、複雑な楽譜が法則通りに弾けるわけがありません。sfz(スフォルツァンド)など強くアタックする音はダウン、クレッシェンドはアップ・デクレッシェンドはダウン等々、意図したい音楽が表現できるように奏者や指揮者が工夫しながら準備を重ねて、その結果ぴったり揃っているというのが正解です。決して自動的に揃うものではありません。なので、同じ曲でも指揮者やオーケストラによって異なることがままあります。作曲家は、どうしても要求したいところにはボウイングまで楽譜に書き込んでいますが、そうでなければ奏者に解釈を委ねる、というのがクラシック界の通例のようです。ちなみに(ひ)がこの原稿を執筆している時点で練習しているマーラーの交響曲第一番は、作曲者の指示がコト細かにコマゴマと数多く(マーラーの母国語であるドイツ語で)書き記されています。楽譜には作曲者の性格もよく表れるようです。


Q:指揮者はオーケストラの演奏を意のままにコントロールできる??
A:練習やリハーサルで意図を伝えて変えることは可能、しかし本番でいきなりは無理

指揮者は手の振りやアクションで、テンポや強弱を意のままに変えられる、と世間ではまことしやかに信じられているフシがあります。確かにオーケストラの奏者全員が超プロフェッショナルで、なおかつ指揮者との阿吽の呼吸が熟成されていれば不可能ではないかもしれません。しかし、普通はそんなこと無理です。本番に臨む前の準備の段階で「指揮者が意図を伝え、奏者がそれに応える」ことを繰り返しながら、演奏が仕上がっていきます。楽器は弾かないけれど指揮者の役割が大きい理由が、まさにこの点です。指揮者とオーケストラも人間対人間ですから、信頼関係が成り立っていなければプロダクトである演奏がうまく仕上がらないことも、通常の社会や組織と同様です。


Q:イタリア人やドイツ人だったら、オペラや歌曲の歌詞の意味が理解できる??
A:???

オペラも歌曲もクラシック界では重要な位置を占めるジャンルです。しかし私たち日本人は、聴いただけでは全く意味が分かりません。聴いて歌詞や台詞の意味が分かったらどんなにいいかと、いつも思います。中高生時代にラジオから流れる洋楽を聴いて「英語が分かればいいのに」と思っていた時と全く同じ感覚です。
 たとえば歌舞伎や能だったら、私たち日本人が普段使っている口語とは少し違うけれども、何となく意味は分かります。オペラ・歌曲の場合、イタリア人・ドイツ人の理解度はどの程度なのでしょうか? かのルチアーノ・パバロッティは、発音が明瞭で歌詞が全て聴き取れたという特徴が「らららクラシック」で解説されていましたが、ということは他のオペラ歌手の歌は歌詞が聴き取れない・聴き取りにくいのでしょうか? かのフレディ・マーキュリー氏は好んでオペラを鑑賞していたことが知られていますが、イギリス人の氏はどれほど歌詞やストーリーを理解できていたのでしょうか?? (ひ)にとって最大の疑問です。
 ちなみに現在の(ひ)は、英語であれば洋楽もミュージカルもある程度理解できます。しかし「CHICAGO」で客席は爆笑の渦だったのに、何が面白いのかサッパリ分からなかったという苦い思い出もあります。


Q:ドイツ語圏や英語圏の人は、音階で歌えない??
A:???

たとえば、かの「マイウェイ」であれば「ファミ〜ファミレ〜シドレレ〜ド〜」と、アルトリコーダーで中学生の時に弾いたメロディがいまだ歌えたりしますが、この「ドレミファソラシド」はイタリア語です。ドイツ語圏や英語圏の人々は、このイタリア語の代わりに「C D E F G A B(H)」とアルファベットで表現します。さすがに「エフエ〜エフエーデ〜ハーツェーデーデ〜ツェ〜」とは歌えないと思うのですが、どうなのでしょうか? 音階で歌える方が楽ちんなのは変わりないので、歌えちゃうのかなあ?
一方、ファの#は Fis、ドの#は Cis、ミの♭は Es、レの♭はDes など、臨時記号のついた音を一息で言えるのはすごく便利です。


Q:作曲家は、あの複雑な交響曲をどうやって作曲している??
A:???

オーケストラで演奏する交響曲のスコア(総譜)は、上から木管楽器・金管楽器・打楽器・弦楽器と並んだ16段とか18段とかのパートが同時進行しています。もちろん全てのパートが異なる音型を演奏しているわけではありませんが、それでもメロディに加えて和音や対旋律など、いくつもの難しい要素がかなり複雑に絡み合ってできています。しかも、全ての楽章を合わせれば演奏するのに1時間近くかかるし、かの第九であれば第4楽章だけでも940小節に及ぶ長さです。そんな複雑で巨大な音楽を、作曲家はどうやって作曲しているのでしょうか??
 現代であれば、コンピューターのソフトウェアを使ってある程度再現することができるので、いろいろと試行錯誤しながら作曲することもできるでしょう。しかし、モーツァルトやベートーベンがいた18世紀は、まだ電気もなくて楽譜をロウソクで照らしていた時代です。チェンバロやピアノであれば自宅にもあったでしょう。しかし確認しようと思えばオーケストラを集めるのは容易ではなかったはずだし、一発であの美しい交響曲が出来上がったわけがありませんから、オーケストラで鳴る音を想像しながら、それらをすべて楽譜に書き起こすことが、本当にできたのでしょうか??
 数年前の朝ドラ「エール」では、かの古関裕而氏が、楽器を全く使わずに鉛筆と五線紙だけで作曲している様子が描かれていました。映画「アマデウス」でも、ヴォルフィことモーツァルト氏はビリヤード台の上に置いた五線紙に羽根ペンで音符を書き込んでいました。かのシューベルトは、自身はオーケストラでの演奏を生涯一度も聴いたことがない交響曲の楽譜をいくつも後世に残しています。ベートーベンの第九なんて、耳が聞こえない人が書いたとは信じ難い緻密な構成です。やっぱり歴代の大作曲家というのは、頭の中で流れる音楽をそのまま楽譜にできる才能を持った、恐ろしいモンスター級の天才なのでしょうか? その一方で、かのブラームスは天才というより誰よりも努力した苦労の人だったことが伝わっています。もちろん人によってスタイルが異なることも理解できますが、うーむむむ、誰か教えてほしいぜ! ※ どの交響曲も、人類が存在する限り永く演奏され続ける芸術であることは間違いありません。


Q:ジャズやロックの演奏家は、どうやって楽譜なしで演奏を合わせている??
A:???

管理人(ひ)は、バイオリンを初めて握ったその日から、一人で弾くときも合奏のときも、楽譜を見ずに楽器を弾いたことはほぼ全くありません。オペラの歌手や協奏曲のソリストなど一部の例外を除いて、クラシック音楽の世界では、楽譜を見ながら演奏するのがスタンダードなのは異論のないところだと思います。でないと、長くて複雑な曲を弾くことはできないし、複数人(時に数十人)で合わせることも不可能だからです。
 ところが、ジャズやロックの世界では、楽譜を見ながら演奏している場面を見ることの方がむしろ稀のように思います。 かのクイーンでさえ、フレディは幼少期にクラシック・ピアノを学んで演奏の腕前は相当だし、ブライアン・メイのギターオーケストレーションはいつも四声でいわゆる弦楽四重奏と同じメソッドなのに、楽譜を見ながら演奏している映像は全く残っていません。 ジャズだってロックだって、複数人で演奏していることに変わりはないのに、どうやって演奏を合わせているのでしょうか? 暗譜もアイコンタクトも限界がありそうだし、どうかしたらビートルズのように「楽譜なんか読めないゼ!」と自慢しているロック歌手やギタリストがいたりするので、謎は深まるばかりです。


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おまけ・【秘打!?】
団塊ジュニア世代の管理人(ひ)。クラシック音楽的な知識を最初に授けてくれたのは、両親ではなく アニメ・ドカベン に登場する2番・セカンドの殿馬選手でした。天才ピアニスト 兼 一流の野球選手 という理想的な人物像である殿馬氏。野球にも音楽的な手法を多く取り入れ、数々の「秘打」を披露して活躍しました。あなたはいくつご存知でしょうか??

秘打・白鳥の湖 チャイコフスキー
秘打・花のワルツ チャイコフスキー
秘打・皇帝円舞曲 ヨハン・シュトラウス
秘打・美しく青きドナウ ヨハン・シュトラウス
秘打・黒田節 ※福岡県民謡
秘打・G線上のアリア バッハ
秘打・円舞曲「別れ」 ショパン
秘打・未完成 シューベルト
秘打・チゴイネルワイゼン サラサーテ
秘打・新世界 ドボルザーク
秘打・華麗なる大円舞曲 ショパン
秘走・運命 ベートーベン
秘投・魔弾の射手 ウェーバー
秘投・はげ山の一夜 ムソルグスキー
秘打・ウィリアム・テル ロッシーニ
秘打・交響詩ティル・オイレンシュピーゲルの「愉快ないたずら」 リヒャルト・シュトラウス
秘打・蝶々夫人 プッチーニ
秘打・魔笛 モーツァルト
秘打・ウィンナーワルツ ※一般名
秘打・こんぺいとうの踊り チャイコフスキー
秘打・くるみ割り人形 チャイコフスキー
秘打・剣の舞 ハチャトゥリアン
秘打・アラビア風奇想曲 タルレガ
秘打・オーバー・ザ・レインボー ハロルド・アーレン
秘打・青い山脈 服部良一
秘打・花は咲く 菅野よう子
秘打・フォルテッシモ 蓑輪単志
秘打・オートマチック 宇多田ヒカル
秘打・夏の扉 財津和夫
秘打・冬のソナタ ※韓国ドラマ





Jeunesse String Ensemble of Nagayo
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